2024 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第1戦 鈴鹿2&4レース

痛みをこらえて走り切った極寒の開幕戦

 

三重県・鈴鹿サーキット(1周=5.821km)

2024年3月9日(土):公式予選 天候:晴れ コース:ドライ

10日(日):決勝 天候:晴れ コース:ドライ

観客動員数:33,000人(2日間合計)

 

JSB1000 #22 新庄雅浩 予選:22番手(2’10″854)決勝:17位

 

 

全日本ロードレース選手権の2024年シーズンは、例年より約一カ月も早い3月9日(土)・10日(日)に開幕。

初戦は、4輪のスーパーフォーミュラとの併催となり、JSB1000クラスのみの開催となる鈴鹿2&4レース。週末には、多くのレースファンが三重県・鈴鹿サーキットに駆けつけた。

3年目のシーズンを迎えるTeam TATARAapriliaからは新庄雅浩がエントリー。ニューカラーとなったRSV4 Factory 1100をライディングした。

異例の早さでの開幕となったが、2輪にとっては気温が低すぎるコンディションとなっており、前週に2日間で行われた事前テストから多くのライダーが転倒。新庄はテスト初日にエンジントラブルがあり、セッションを中断させてしまう出来事があったが転倒はなかった。チームは僅かな時間の中でマシンを修復し、再び鈴鹿入りした。レースウイークに入っても、気温は上がらず、難しいコンディションの中でセッションは進んでいった。

木曜日、金曜日と各4本の走行があり、寒いコンディションに合ったセットを模索。新たにECU・テレメトリー担当で加わった宇井陽一氏の的確な判断もあり、マシンセットのスピードは格段によくなってきていたが、新たなトラブルも出てしまい、その対策にも追われていた。

公式予選が予定されていた土曜日は、セッション開始直前に雪やヒョウ混じりの雨が降り、そのときに行われていた4輪フォーミュラ・リージョナルのレースでは、スピンが続出。セーフティーカーが入る荒れた展開となっていた。気温も上がっておらず、コースコンディションがよくないということで、予選がキャンセルされてしまう。このためグリッドは金曜日の走行の結果となり、新庄は22番手グリッドからのスタートとなった。

日曜日も青空が広がったが朝の冷え込みは厳しく、8時30分から行われたウォームアップ走行は、見送るライダーもいた。新庄は確認項目がありコースインするが、計測1周目の最終シケイン進入でトラブルが出てしまい転倒。身体を痛めてしまいマシンもダメージを受けてしまう。

レース後の診断で明らかになるが、この転倒で左上腕大結節と右肋骨11、12番を骨折していたが、新庄は痛みをこらえてグリッドに並んだ。

レースがスタートすると、うまくポジションを上げた新庄だったが、3周目の最終コーナーで転倒があり赤旗中断。レースは仕切り直しとなり、クイックリスタートで2度目のスタートが切られる。再びスタートダッシュを決めた新庄は、オープニングラップを18番手で戻ってくる。

そのまま前のライダーをマークしていたが、4周目に入った辺りから電気系トラブルが出てしまいポジションを下げてしまう。トラブルを抱えながらも、何とか走行を続け、1台をかわし、前のライダーの転倒もあり17番手を走っていたが、10周目のアクシデントでセーフティー

カーが入ると、そのまま赤旗が提示されレースは終了。2024年の開幕戦は17位という結果となった。

新庄雅浩 JSB1000ライダー

「宇井さんの加入によって電子制御や燃調などECUのセットが進み、それに伴う足回りのセッティングをチームのみんなと考えながら、いい方向に進んでいたのですが、今までにないトラブルも出て来てしまい、対策を施しながらセッションごとにトライしてきました。

順調なところもあったのですが、思うように詰められない部分もありました。

勝朝のウォームアップ走行で予期せぬ転倒があり、身体を痛めてしまったのですが、Tカーにスイッチしてレースに出ました。

序盤はよかったのですがトラブルが出てしまいだましだましゴールを目指しました。この悔しさを次戦もてぎで晴らします」

井上哲悟 チーム監督

「公開テストから転倒リスクを最小限に抑えながら、決勝に向けていい流れをつくるろうと進めてきました。極寒の影響もあり、これまでになかったトラブルが発生し、その対処に追われました。その中でも、今年からチーフエンジニアとして合流した宇井氏とライダー、チームスタッフのコミュニケーションは非常によく、決勝日朝までは結果を残せる流れをつくれていました。

ところが、ウォームアップ走行でのマシントラブルによる転倒。新庄が負傷し、欠場もあり得るケガでしたが、ライダーの強い意志で決勝を走り切ることができました。結果を残すことはできませんでしたが、課題が明確になりました。

次戦もてぎでは、ST1000の和田も含め、2名のライダーが、しっかり実力を発揮できるよう準備してまいります。必ず巻き返します」

中野誠司 チーム代表

「今年は開幕が早くシーズンオフも短かった中、新たなシーズンを迎えることができたのは、スポンサー様やご協力いただいている皆様のおかげです。本当にありがとうございます。

チームも3年目を迎え、強力なスタッフやライダー達と共に戦えることを非常にうれしく思います。今回のレースは負傷した身体で最後まで戦い抜いてくれた新庄 を誇りに思います。

次戦モテギまでに新庄には体調を整えてもらい、和田 と共に上位を目指します。今シーズンもスタッフ一同全力で戦ってまいりますので、応援よろしくお願いいたします」