Team TATARA aprilia初出場の鈴鹿8耐歓喜のNSTクラス表彰台獲得!
2023 FIM世界耐久選手権 第3戦“コカ・コーラ“鈴鹿8時間耐久ロードレース
2023 FIM世界耐久選手権 第3戦
“コカ・コーラ“鈴鹿8時間耐久ロードレース 第44回大会
三重県・鈴鹿サーキット(1周=5.821km)
2023年8月2日(水):テストセッション
3日(木):公式車検
4日(金):フリー走行・公式予選1
5日(土):公式予選2・TOP10トライアル
6日(日):8時間耐久 決勝
観客動員数:42,000人(3日間合計)
クラス:NST マシン:Aprilia RSV4 Factory 1100 タイヤ:BRIDGESTONE
#23
新庄雅浩/和田留佳/サムエーレ・カバリエリ
予選:26番手(best:2分09秒835 average:2分10秒053)
決勝:19位(206周)
2022年に発足したTeam TATARA apriliaが目標にしていた鈴鹿8時間耐久ロードレースにチームとして初めて参戦した。鈴鹿2&4レースでトライアウトを通過し参戦権を獲得。EWCクラスで準備を進めるも7月の事前テスト直前にホモロゲーションの問題でSSTクラスにしか出られないことが分かり、急きょマシン仕様を変更。その後もSSTクラスに準じるNSTクラスで鈴鹿側と連絡を取り合いながらもEWC世界耐久選手権を統括するFIM(国際モーターサイクリズム連盟)から正式な発表があったのが7月28日と直前だったため、それまでは不安な日々が続いていた。

7月の事前テストでは、ギリギリNST仕様のフロントフォークが間に合ったもののベースセットが出ていなかったこともあり、水曜日のテストセッションでは、イタリアから来てくれたエンジニアのミルコ・デ・ジイアンニと共にマシンセットを進めていく。思うようにマシンセットは進まなかったが、メカニックたちもエンジンの載せ換えを驚異的なスピードでこなし、ライダーを強力にバックアップ。暑さで小さな問題はあったものの、ほぼノントラブルで進めることができていた。

金曜日の公式予選では、サムエーレ寄りのセットに変更。新庄は、やや乗りにくくなり、1回目の予選タイムは2分10秒960に止まっていた。
和田は2分10秒513、サムエーレは2分11秒064と、赤旗中断が多かったものの今ひとつタイムが伸び悩む結果となっていた。土曜日の午前中に行われた予選2回目では、新庄が2分10秒641、和田は2分09秒835、サムエーレは2分10秒270と、それぞれタイムを更新。アベレージタイムは2分10秒053となり、26番手グリッドを確保する結果となった。
台風6号の接近で決勝日は雨予報となっていたが、スタートするころには青空が広がり厳しい暑さに見舞われていた。スタートライダーは新庄が務め、落ち着いた走りで周回を重ねていく。サムエーレも初めての耐久レースながら安定した走りを披露。和田も1セッション目は淡々と走行していた。ここで燃費も確実に計ることができ、ピット作業も修正しながら毎回、その精度を高めていっていた。
序盤でNSTクラスの優勝候補が1台転倒したこともあり、クラス3番手を走行。4番手のチームと一進一退を繰り返していたが、和田の2回目のスティントの際、西ストレートで接触転倒があり、セーフティーカーが入り、後続との差を広げることに成功。和田は持病の腰痛が悪化してきていたが、このセーフティーカーで少し休むことができていた。さらに残り1時間15分というところで雨がいい勢いで降ってくる。このときサムエーレが3スティント目を走っていたが、ライダー判断でコースに止まっていた。ピットインしレインタイヤに交換するチームも多かったが、雨はすぐに止み、サムエーレは順位を上げていく。
一時クラス2番手に上がったがピットインし3番手に戻ると、和田が最後のスティントに出ていく。金曜日に初めてナイトセッションを走った和田だったが、2分15秒台でしっかり周回し、総合20位でゴール。NSTクラス3位となり表彰台に上がる結果となった。さらに事後車検で1台失格があったため、正式結果では19位となっている。
新庄雅浩コメント

「チームが発足して初めての鈴鹿8耐でしたが、全日本から取り組んできましたけれど体制的にも、すごく整えてくれてライダーとしても、すごくやりやすい環境でした。チーム、メカニック、スポンサー様が一致団結してノントラブルで走り切ることができたのが奇跡的なことだと思います。決してクラストップを狙える状況ではなかったですが、そこを目指して表彰台に上がることができたのは、本当によかったですね。サムは雨が降ってきたときにライダー判断で走り続けてくれたのでアドバンテージが築けましたし、留佳も最後は意地を見せてくれました。すごく人と人のつながりが暖かいチームです。このチームで走れることを誇りに思いますし、もっと頑張ろうと思っています。全日本後半戦もすぐに始まるので、引き続き応援よろしくお願いいたします」

和田留佳コメント

「まずはチームとスポンサー、応援してくださった皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです。EWCからNSTに変わって、チームも大変でしたし、走れるように体制を整えてくださったのでライダーそれぞれが役割をこなして、いいアベレージタイムで走ることができました。ライダーを牽引してくれた新庄選手の存在は大きかったですし、改めてすごい人だと思いました。自分にとって2度目の鈴鹿8耐でしたがレース人生の中でも貴重な経験をさせてもらったことを重ね重ね感謝いたします。この経験を全日本後半戦で生かせるように頑張ります」

サムエーレ・カバリエリコメント

「ヨーロッパでも有名で、レースの中でも特に認められている鈴鹿8耐に参加できただけでも光栄なことですが、そこで表彰台に上がれたことは言葉では表せない体験でした。アプリリアとスポンサー、そしてTeam TATARAの非の打ち所のないサポートに感謝しています。このチームのすべてがすばらしい仕事をしました。チームメイトの新庄選手と和田選手もとてもうまかったです。バイクレースは個人競技のように囚われがちですが、本当はチームスポーツです。特に耐久ではチームメイトと車両を共有することからも協力が大きな力になります。再度になりますが、非の打ち所のないチームメイトとTeam TATATAに感謝しています。とてもすばらしい感覚で、すべての人に感謝しています。Forza Aprilia!」

井上哲悟 チームマネージャー

「鈴鹿8耐はチーム発足から一つの目標にしていました。参戦権を得てからクラス変更があり、準備に追われました。決勝では、運も味方につけることができ、ノントラブルで走り切りNSTクラス3位でゴール。表彰台に上がることができました。すばらしいライダー3人、すばらしいメカニック、スタッフを編成でき、しっかり戦える体制を整えることができました。これもチームオーナー、スポンサー様、協力してくださった皆様のおかげです。ライダーをまとめてくれた新庄、睡眠時間を削って作業してくれたクルーチーフの小山、エンジン系を担当してくれたBLUE THUNDERS岩野さん、燃料系を担当したEGUKEN GARAGE江口さん、その他にも大勢のご協力があり表彰台を獲得することができました。本当にありがとうございました」

中野誠司 チーム代表

「直前まで参戦クラスが決まらず、準備にバタ付きましたが、メカニックやスタッフの努力で間に合わすことができました。結成2年目で、ライダー3名と監督、エンジニアやメカニック、スタッフが一丸となって戦いNSTクラス3位という結果を得ることができたことを誇りに思います。これもスポンサー様、ご支援、ご協力を頂きました皆様のおかげであると感謝しております。ありがとうございました。これからも、TeamTATARAは、全力で戦って参りますので、変わらぬご声援よろしくお願いいたします」