チームとして一歩前進した岡山ラウンド
2023 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第7戦

SUPERBIKE RACE in OKAYAMA

岡山県・岡山国際サーキット(1周=3.747km)

2023年9月23日(土):公式予選 天候:晴れのち曇り コース:ドライ

24日(日):決勝 天候:晴れ コース:ドライ

観客動員数:5700人(2日間合計)

JSB1000

#27 新庄雅浩

予選17番手(1分33秒733)決勝17位

ST1000

#23 和田留佳

予選22番手(1分37秒880)決勝13位

谷本音虹郎のためにも、いいレースにしたかった第6戦オートポリスは、その思いと裏腹に散々な結果となってしまった。

その悪い流れを断ち切るためにも、今回の岡山ラウンドは、前週に行われた事前公開テストまでに、オートポリスでのトラブルを追求。その原因を明らかに

してサーキット入りしていた。

JSB1000には、新たなステムを投入し、ライダー新庄の要求に応える形でトップブリッジのオフセット量を変更。これが狙い通りにいい方向にいき、フロントのフィーリングが格段によくなり、ラップタイムも1分33秒台で走れるようになってきていた。ただ、ラップタイムが上がってくると、また違う問題も発生し、その対策に追われることになるが、着実に前進していた。

ST1000の和田は、オートポリスのトラブルが解決し、マシンセットを進めていく。1日目に転倒もあったが、2日目にはロングランもこなし、トラブルだらけだったオートポリスからの流れを修正できたテストになっていた。

レースウイークに入ると、事前テストとコンディションが変わっており、そこに合わせ込む作業と同時にトラクションコントロールの調整、タイヤとのマッチングと様々な要素が絡みながら、セットを進める。金曜日の2本目では、セッション終盤にパイパーコーナーで新庄が転倒。

攻め過ぎてフロントが切れ込んだためだったが、逆に言えば、攻められる状態までマシンが仕上がって来た証拠でもあった。土曜日の公式予選では、1分33秒733までタイムを詰めるが、やはりフロントが切れ込む症状が出てしまう。その中でもアベレージを上げ、ポイント圏内を走る手応えは感じることができていた。

一方、和田はレースウイークに入ってから順調にマシンセットを詰めていたが、金曜の2本目にソフトタイヤを試したところ転倒。予選では、ラジエターから水が噴き

出すトラブルに見舞われ計測1周のみしかできず、予選グリッドは22番手と後方からのスタートとなっていた。

日曜日は快晴となり、午前中に行われたST1000クラスのレースは、トップを走るライダーが転倒する波乱の展開となっていた。和田は、好スタートを切ると一気に5つほどポジションアップ。その後足踏みはあったが、粘り強い走りを見せ13位でゴール。貴重なポイントを獲得した。

JSB1000クラスは24周で争われた。スタートはうまく決まったが1コーナー立ち上がりで岩田選手がハイサイドで大きく振られたため、これを避けるためにアクセルを戻

さなければならずポジションを落としてしまう。そこから追い上げ、オープニングラップは18番手につけ、5台ほどの集団で周回を重ねる。前に出ることができればポイ

ントを獲ることができるが、リスクも多いため様子を見ながら周回を重ねる。

どうしてもフロントが切れ込んでしまうため、なかなか勝負を仕掛けることができなかったが、レース終盤になり、一つポジションを上げ17位でゴールした。

最後に土曜日夕方に谷本音虹郎の追悼セレモニーを行わせていただきました。多くのライダー、チーム関係者の皆様にお集まりいただき黙祷を捧げられたことを感謝申し上げます。ありがとうございました。
新庄雅浩 JSB1000ライダー

「ポイント圏内を走る手応えはあったのですが、スタート直後のアクシデントの影響で遅れてしまったのが、すべてでした。ブレーキングでフロントが切れ込む症状が出ていたので、仕掛けることもできず不甲斐ないレースになってしまいました。和田選手が、粘り強い走りでポイントを獲得してくれたので、チームを勢いづけるためにもポイントを獲りたかったのですが悔しいですね。ただ、結果は伴いませんでしたが、着実に前進している実感があるので、次戦、最終戦鈴鹿は今シーズン最高のレースにしたいですね」

和田留佳 ST1000ライダー

「事前テストで初日に大きな転倒をしてしまいましたがチームがすぐに修復してくれたので2日目も走ることができました。予選ではトラブルがあり、ほとんど走ることができませんでしたが、チームがしっかりバイクを直してくれたので、決勝ではポイントを獲ることができました。ただ、前回のオートポリスといい、今回の岡山もいい流れを作れなかったので、最終戦鈴鹿は、いい流れを作ってトップ10を目指します」

井上哲悟 チームマネージャー

「シーズン後半戦に入り、悪い流れが続いていたので、今回の岡山は、それを断ち切るために、いろいろチームとしても対策を行いましたが、和田は予選でトラブルが出てしまい計測1周のみしかできませんでした。決勝では我慢のレースをしてくれて13位でゴールしポイントを獲ってくれました。新庄にも我慢をさせている状態です。2人とも、もっと上位を走ることができるライダーですし、もっとうまくまとめることができれば、速く走ることができはずです。アプリリアというマシンの理解度も進んできているので、最終戦をしっかり戦ってシーズンを締めくくれるようにしていきます。今大会も応援ありがとうございました」

中野誠司 チーム代表

「スポンサー、関係者の皆様のおかげで、岡山ラウンドも2台体制でレースを終えることができました。本当にありがとうございます。土曜日には、谷本音虹郎の追悼セレモニーを行うことができました。ご協力、ご参列いただきました皆様に感謝申し上げます。レースは、ライダー、スタッフ一同が前を向き、一歩前進できたレースになったと思います。早くも次戦は最終戦になります。さらに前を目指しチーム一丸となって、さらに前を目指します。引き続き応援よろしくお願いいたします」