激動の2023年シーズンを戦い終える
2023 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第8戦

第55回 MFJグランプリ

SUPERBIKE RACE in SUZUKA

三重県・鈴鹿サーキット(1周=5.821km)

2023年10月14日(土):公式予選・JSB1000レース1 天候:晴れのち曇 コース:ドライ

15日(日):決勝・JSB1000レース2 天候:晴れ コース:ドライ

観客動員数:10,200人(2日間合計)

JSB1000

#27 新庄雅浩

RACE 1 予選22番手(2分09秒889)決勝17位

RACE 2 予選22番手(2分10秒060)決勝15位

シリーズランキング:22位

ST1000

#23 和田留佳

予選17番手(2分11秒140)決勝18位

シリーズランキング:23位

激動の2023年シーズンも三重県・鈴鹿サーキットで幕を閉じた。

全日本ロードレース選手権シリーズ最終戦鈴鹿、各クラスのライダーが、それぞれの想いを乗せて2023年最後のレースに挑んだ。木曜日、金曜日と快晴に恵まれたが、土曜日から天気が下り坂の予報となっていたが夕方ま

で持ち、夜から日曜日の朝まで雨が降ったが、ほとんどのセッション、レースはドライコンディションで行われた。

最終戦鈴鹿は事前テストはなく、木曜日の特別スポーツ走行からレースウイークが始まった。JSB1000クラスの新庄は、前戦岡山からの流れから、鈴鹿に合うであろうセットに変更し走り始めるが、ラジエターのトラブルが発生してしまい、1本目はほぼ走ることができなかった。木曜日の2本目、金曜日の2本とマシンセットを詰めていったが、最初の出遅れが響き想定していたところまで到達することができずにいた。
一方、ST1000クラスの和田の方は、今回は転倒もなく順調に進んでいた。エンジンも今年で一番走っており昨年のタイムを早々にクリアしていた。公式予選でST1000の和田は、開始早々に単独走行で2分11秒6をマーク。セッション終盤に同じくらいのペースのライダーをうまくマークし2分11秒140までタイムを縮めてみせた。アベレージタイムもよく決勝に向けて、いい手応えを感じていた。

JSB1000クラスの新庄は、タイムにつながるグリップを出すのが難しく予選は、2分09秒889が精一杯。セカンドベストは2分10秒060と惜しくも2分09秒台には入れられなかったが現状ではベストに近いタイムと言えるだろう。

土曜日の午後に行われたレース1。星野選手、中冨選手との三つ巴のバトルとなり、東コースのコーナーで抜き、ストレートで抜き返されるパターンが続き、何とか集団の前でゴールしようとするが、星野選手にうまく抑えられ17位となる。レース1を終えた後にエンジンに問題が出たため、Tカーにメインカーの足回りを移植して、レース2に臨むことになる。

レース2は、レース1より2周多い17周で争われた。Tカーにスイッチしたため制御がうまく作動せず、厳しいレースになると思われたが、2周目の1コーナーで転倒があり、セーフティーカーが入る。セーフティーカーランの間に制

御が認識し作動するようになり、前との差も詰まり、リスタートが切られると、またも星野選手を先頭に、杉山選手、中冨選手と集団を作る。レース終盤になるとペースの上がらなくなった柳川選手も集団に加わり最終ラップを迎える。新庄は最後のシケインへのブレーキングで一気に2台をかわすと15位でゴール。貴重な4ポイント(通常1ポイントにボーナスポイント3)を獲得した。

ST1000クラスの和田は、スタートでやや出遅れるが、2周目には2台をかわし、トップと2番手を走っていたライダーが接触転倒するアクシデントもあり、一気に4つポジションを上げ14番手に浮上。3周目には、さらに2つポジションを上げるが、マシンに異変を感じペースを上げることができなくなってしまう。それでも集団の中でポジションを入れ変えながら周回を重ねるが、残り2周を切った11周目の1コーナーでトラブルが原因でコースオフ。これ以上走ることは困難と判断しマシンを止めた。チェッカーフラッグを受けることはできなかったが完走扱いとなり18位となっている。
JSB1000ライダー 

新庄 雅浩

「今回は比較的大きな仕様変更がなく、ラジエターのトラブルはありましたが淡々とセットを進めることができました。レースはコーナーで抜いてストレートで抜き返されるパターンでしたが、レース2は最後のシケインで2台を抜い

てポイントを獲ることができたので、よかったです。終わってみれば全戦ポイント獲得という目標は、達成できませんでしたが、同じグレードのタイヤを履いている中で最終戦に出られたのは自分たちだですし、全日本JSB1000クラスのレベルの高さを改めて感じました。今年からTeam TATARAに加わりましたが、うれしいことも、つらいことも様々なことがありました。とても濃いシーズンを過ごさせてもらいましたし、チームと一緒に成長してきた1年でし

た。まだまだ速くなる可能性があるので、来年、再来年と継続していけるように結果を出していきたいと思っています。引き続き応援よろしくお願いいたします」

ST1000ライダー

和田 留佳

「前戦の岡山で車体のベースセットを見つけられていたので今回はメカニックと共に速くするためにはどうすればいいか、というディスカッションができていました。転倒もなかったですし、データロガーを見る時間も多かったです

ね。ストレートも今年一番伸びていてスリップストリームを使って290km/h、単独でも280km/hはキープできていました。アベレージが去年より約2秒も上がっていたので、集団の中で周回を重ねてラスト5周で勝負をしたいと思っていたのですがトラブルが出てしまい不完全燃焼なレースになってしまいました。今シーズン、一番いい状態でしたしシングルフィニッシュをしたかったので悔しいですが、ここまでマシンを仕上げてくれたチームには感謝しかありませ

ん。本当に今年はいろいろなことがあり、ジェットコースターのようなシーズンでした。この経験を糧に来シーズンも精一杯頑張ります。多くの応援ありがとうございました」

井上 哲悟 チームマネージャー

「まずは最終戦鈴鹿を無事に終えることができたことをスポンサー、応援してくださっている皆様に感謝申し上げます。JSB1000新庄の方は、ラジエターのトラブルから始まってしまい、その出遅れが響きました。ST1000和田もいい走りを見せてくれたのですが、レース中にホイールにトラブルが出てしまいチェッカーフラッグを受けることができませんでした。今回もライダー2人に我慢を強いる結果になってしまい申し訳ない思いです。その中でもレース2で新

庄がポイントを獲ってくれたことは、本当にうれしかったですし、もっと上位でゴールできる可能性がまだまだあることを実感しました。いろいろなことがあった2023年でしたが、チーム全員が本当に頑張ってくれたので、成長でき

た1年になりました。また音虹郎の献花台を設置させていただき、多くの方が訪れてくださったことにも感謝いたします。来シーズンも、また皆様に応援していただけるチームになるために、このオフシーズンは、しっかり準備して

いきます。Team TATARAの2024年にぜひご期待ください」

中野 誠司 チーム代表

「スポンサー、関係者の皆様のおかげで最終戦MFJグランプリも2台体制で無事にレースを終えることができ、2023年シーズンを締めくくることができました。本当にありがとうございます。またピット裏に、谷本音虹郎の献花台を置かせて頂き、ご協力、お越しいただきました皆様に感謝申し上げます。レースは、2名とも最終戦に相応しい素晴らしい走りをしてくれたと思います。それも、スタッフ一同が1年間培った結果であり、チームとして少しづつ前進できました。来年も、Team TATARAは走り続けます。今後も応援よろしくお願いいたします」