2023 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第1戦SUPERBIKE RACE in MOTEGI

Team TATARA apriliaとして2年目のシーズンが栃木県・モビリティリゾートもてぎで始まった。2023年は全日本ロードレース選手権シリーズ最高峰のJSB1000クラスに、ニューマシンRSV4 Factory 1100をデビューさせる。ライダーには、新たに新庄雅浩選手を起用。豊田浩史選手と2台体制でJSB1000クラスにフルエントリーしていた。しかし、豊田選手はトレーニング中に負傷したため、今回は谷本音虹郎選手が代役参戦。ST1000クラスには、昨年途中からチームに加わった和田留佳選手がフル参戦する。さらに、アプリリアからのリクエストでイタリア人ライダー、サミュエーレ・カヴァリエリ選手がJSB1000クラスにスポット参戦することが決まり、開幕戦は何と4台のアプリリアを走らせることになっていた。
チームスタッフは睡眠時間を削って準備に追われたが、何とか事前公開テストに間に合わせ、走り始めることができていた。またJSB1000クラスには、カーボンニュートラル燃料が導入され、その対策もしながらマシンセットを進めていった。
 レースウイークは、木曜日の特別スポーツ走行から始まり、マイナートラブルや軽い転倒はあったものの、初日、2日目と4人とも精力的に走り込んでいき、いい流れができてきていた。
公式予選が始まるとサミュエーレ選手が1分49秒台に突入! 新庄選手と谷本選手も1分51秒台を記録していた。しかし、新庄選手がマシントラブルから1コーナーでハイスピードのまま転倒。マシンは大きくダメージを受けたが、その後、行われるレース1にギリギリ修復を間に合わすことができていた。
レース1では、11番手を走っていたサミュエーレ選手が4周目の2コーナー立ち上がりで白煙を吹きエンジンブロー。ここまで大きな問題は出ていなかったがカーボンニュートラル燃料の影響が疑われる結果となった。新庄選手は、予選の転倒でダメージがあったもののマシンを確認しながら18位で完走。谷本選手もこれに続き19位でチェッカーフラッグを受けた。サミュエーレ選手のエンジンブローを受け、埼玉県川越市のEGUKEN GARAGEでシャーシダイナモでエンジンの慣らしを行い、再びもてぎに戻ってエンジンを載せ換え作業を行いレース2に備えたのだが…。
 日曜日朝のウォームアップ走行では、サミュエーレ選手のエンジンが9000回転以上回らないトラブルが発生。何とかスタートまでに問題を解決でき、グリッドに着くことができたのだが、またもトラブルが出てしまう。ウォーミングアップ走行に入る際、加速しなくなり、後続が追突し転倒。サミュエーレ選手は、そのままスタートしたもののオープニングラップの5コーナーで転倒しリタイアとなってしまう。
新庄選手と谷本選手は、好スタートを見せポイント圏内をランデブーで周回する。レース終盤に追い上げて来たライダーに抜かれてしまい新庄選手が16位、谷本選手が17位と惜しくもポイント獲得はならなかった。
 ST1000クラスの和田選手は、予選での一発タイムは出すことができていたが、アベレージタイムが上がらずに苦戦。厳しいレースを走り切り、次戦への課題を明確にした。
#27 新庄雅浩選手 JSB1000ライダー

RACE 1:予選21番手(1分51秒365)決勝18位
RACE 2:予選20番手(1分51秒719)決勝16位

「アプリリアで初めてのレースを無事に終えられたことをチームを始め、応援してくださっている皆さんに感謝いたします。初めてということで事前公開テストから慎重にいき過ぎたくらいでしたが、予選までセッション毎にタイムも縮まり、当初の目標であったポイント獲得も視野に入ってきていました。しかし、予選ではトラブルが原因で転倒してしまい、そこからはドタバタでした。チームも一生懸命やってくれましたし、ポイントを獲れなかったのは悔しいですが、まずは2レースとも完走できたので、よかったと思います」

#23 和田留佳選手  ST1000ライダー

予選17番手(1分52秒902)決勝21位

「今シーズンもTeam TATARA apriliaの一員として走れることを感謝いたします。予選は、サミュエーレや江口さんにアドバイスをもらい自己ベストを更新できましたが、アベレージタイムが伸びずにいたので厳しいレースになりました。ストレートの速いライバルに対抗するには、もっとアプリリアの得意とする部分を出していかないといけませんね。次戦のSUGOまでにJSBと同じECUが付く予定なので、スポット参戦する鈴鹿2&4レースで、SUGOを見据えたデータを取っておく予定です」

#32 谷本音虹郎選手 JSB1000ライダー

RACE 1:予選22番手(1分51秒927)決勝19位
RACE 2:予選22番手(1分51秒972)決勝17位

「アプリリアのポテンシャルがすごく高く、初めて履いたブリヂストンタイヤもよかったですし、初めて尽くしにしては、自分に合っていると感じました。まだ乗り慣れていないので、性能を出し切れていない部分が、まだまだあります。もっと走り込んで、もっと上を目指したいですね。走る機会をくださったチーム、スポンサーの皆さんに感謝いたします」

#41 サミュエーレ・カヴァリエリ選手  JSB1000ライダー

RACE 1:予選12番手(1分49秒992)決勝DNF
RACE 2:予選11番手(1分50秒132)決勝DNF

「事前公開テストからレースウイークに入っても、様々な問題があったため、本来やるべき仕事をできなかったことは残念でしたが、現状のパッケージでの速さを見せることができたと思います。2レースともDNFとなってしまったことは悔しいですが、初めての日本で特別な経験ができました。Team TATARAとapriliaには、素晴らしい機会を与えてくださったことを感謝いたします。また挑戦できることを願っています」

井上哲悟 チームマネージャー

「レース1のエンジンブロー、レース2の電装系トラブルで星野選手を巻き込んでしまい、ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。開幕戦にイタリア人ライダー・ サミュエーレを含め計4台を走らせることが決まり、チームは睡眠時間を削って必死に準備に没頭しました。事前公開テストからレースウイークの金曜日までの流れはよく、いい結果を残せる手応えがありましたが、土日で、その流れを失ってしまいました。その中でもライダー、チームの全員が最善を尽くしてくれました。次戦以降、必ず巻き返します」

中野誠司 チーム代表

「まずJSBレース2のウォーミングアップラップに入るところで、ご迷惑をおかけした星野選手とチーム関係者の方々にお詫び申し上げます。Team TATARA apriliaとして2年目のシーズンを迎え、開幕戦では4名のライダーを走らせました。ニューマシンRSV4 Factory 1100のシェイクダウンも重なり、数々の問題が出ましたが、そのポテンシャルの一端を見せることができたと思います。次戦、鈴鹿2&4レースは、鈴鹿8耐の参戦権を獲るためにチーム一丸となって挑みます。2023年シーズンも応援よろしくお願いいたします」