上位を狙いスリックタイヤで勝負に出るが…
2025 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第2戦
SUPERBIKE RACE in SUGO
宮城県・スポーツランドSUGO(1周=3.6211km)
2025年5月24日(土):公式予選 天候:くもり コース:ドライ
2025年5月25日(日):決勝 天候:雨のちくもり コース:ウエット・ドライ
観客動員数:8,500人(2日間合計)
ST1000
#10 和田留佳 予選 13番手(タイム:1分28秒461)決勝:19位
#32 芳賀瑛大 予選 16番手(タイム:1分29秒559)決勝:20位
宮城県・スポーツランドSUGOで5月24日(土)・25日(日)に全日本ロードレース選手権第2戦が行われた。今回は、ST1000クラスに参戦するTeam TATARA apriliaにとって開幕戦。ようやく2025年シーズンが本格始動する。
シーズンオフには、マレーシア・セパンサーキットでテスト合宿を行ったり、OROCHIの貸切走行会でトレーニングをしたりしてシーズン開幕に備えていた。4月9日(水)、10日(木)には、もてぎテスト、4月20日(日)には、鈴鹿8耐トライアウトのレースがあり、和田と綿貫が出走。和田が2位に入り参戦権を獲得した。
前週に行われた事前テストでは、和田は自己ベストに近いタイムを初日に記録するなど順調に進みロングランもこなした。一方、芳賀はトラブルが出てしまいタイムも縮められずにいた。ただ、今シーズンは、同じクラスに2台を走らせるため、データを共有し、マシンセットを早く進める体制を構築できたのはプラスになることは間違いない。
SUGOは、このオフに路面を全面的に張り替えグリップが上がっていたが、レースウイークに入ると、前日の雨の影響からか事前テストに比べてグリップが下がっていた。まずは2台を同じ状態にして走り出し、レースウイーク初日のコンディションに合わせてマシンをアジャストしていく。リアのグリップがなかなか出せない和田は、試行錯誤を繰り返しながらセッションをこなしていくが、芳賀は、トラブルが出てしまい思うように走れずにいた。
土曜日の公式予選では、和田が1分28秒461を記録し13番手、芳賀は、残り1分までコース上に止まりマシンセットを進めるよりも、マシンに慣れてタイムを縮め1分29秒559で16番手となっていた。
日曜日は雨となり、朝のウォームアップ走行で始めてウエットコンディションを走ったが、フィーリングは今ひとつで芳賀が14番手、和田が15番手につけた。雨はほとんど止んでいたが、路面はなかなか乾かず、この日最初のレースとなったJ-GP3クラスはウエットコンディションで争われた。続いて行われたST1000クラスの決勝まで路面はどれだけ乾くのか分からなかったが、大半のライダーがレインタイヤをチョイスする中、Team TATARA apriliaの2人は、スリックタイヤで戦うことを決断した。
レースがスタートすると、やはりレインタイヤをチョイスしたライダーが先行。和田と芳賀は、ランデブーで17番手、18番手を走行し、路面が乾くのを待っていたのだが…。新路面は、思いのほか乾かず、コースに止まるのが精一杯の状態で周回。和田が19位、芳賀が20位でチェッカーフラッグを受けたのだった。
和田留佳|ST1000ライダー
「事前テストで新舗装の路面コンディションを探りながらも順調にマシンセットは進んでいて、初日の2本目で自己ベストと同じタイムは出ていました。ロングランもでき、問題点も洗い出すことができて、後はレースウイークで詰めていくだけでした。しかし、金曜日から走り始めると雨上がりで路面コンディションが変わり、リアがグリップしなかったので、チームと話し合いながら対応していきました。しかし、何をやってもタイムアップできず、公式予選でも自己ベストのコンマ1秒落ちまでしか出すことができず13番手。日曜日は雨になり朝のウォームアップ走行でのフィーリングはよくなく、レースは路面が乾いていく状況でした。多くのライダーがレインタイヤを選んでいましたが、スリックタイヤで勝負に出ました。結果的に外れでしたし残念な結果でしたが、これもレース。次のレースも精一杯走るだけです。応援ありがとうございました」
芳賀瑛大|ST1000ライダー
「4月のラウンド0テストからボクの方のバイクにトラブルが出ていて、事前テストでもフィーリングがよくならい状態でした。和田選手のマシンと乗り比べてみても、明らかにフィーリングが違っていたのですが、トラブルの原因が明確に出ていませんでした。レースウイークは2台とも同じ状態からスタートすることになったのですが、コンディションが変わり、それに合わせたセットを模索したのですが、トラブルが出てしまいました。ハーネスなど考え得る部分は交換してくれたのですが、そのまま予選を迎えました。コースインして、そのまま残り1分まで走り続けてライディングでマシンに合わせていきました。日曜日は雨になり、ウエットは好きな方なのでチャンスだと思っていました。朝のウォームアップ走行で初めてapriliaで雨を走ったのですが、いい感触がつかめずにいました。決勝は賭けに出ました。残念ながらタイヤ選択ミスでしたが、和田選手と同じペースで走れましたし勉強になったので次戦につなげたいですね」
井上哲悟|チーム監督
「いつもTeam TATARA apriliaの活動にご協力いただき感謝申し上げます。2025年シーズンの開幕となったSUGOラウンドは、結果的にタイヤチョイスを外しました。全責任はグリッドでスリックタイヤでいく判断をした私にあります。大変申し訳ございませんでした。ただ、スリックタイヤで勝負したいと言ってくれたライダーたちの勇気は評価してあげて欲しいです。ライダーの攻める気持ちを結果に結びつけられるように精進いたします。今回も多くの皆様が応援に駆けつけてくださり、ホスピタリティに立ち寄ってくださいました。本当にありがとうございます。この後は、鈴鹿8耐に向けて動きます。再びSSTクラスで表彰台に上がれるようにチーム一丸となって邁進します」
中野誠司|チーム代表
「まずはTeam TATARA apriliaとして2025年シーズン全日本ロードレース選手権ST1000クラスの開幕を迎えられたことを感謝申し上げます。今年は和田留佳に加え、芳賀瑛大を迎えST1000クラスに2台体制でフル参戦します。事前テストからライダー、スタッフ共に懸命に取り組み、少しずつ前に進んでいましたが、タイヤチョイスの判断が外れライダーに我慢のレースをさせてしまいました。応援してくださっている皆様、大変申し訳ありませんでした。その中で、ライダー2人は完走し、貴重なデータを持ち帰ってくれました。この後は、2人とも海外レースへの参戦も計画しております。そして鈴鹿8耐にも参戦いたしますので、引き続き応援よろしくお願いいたします」